読書 三上延『同潤会代官山アパートメント』 同潤会代官山アパートに住む家族を描いた連作短編集。昭和初期から物語は始まり、約10年ごとに一話ずつ進み、祖父母から曾孫へ4世代にわたって描かれる。昭和から平成まで、戦争や災害を経験しながらも家族を支えにして生きていく人たちの姿が温かい。巻末... 2022.01.21 読書
読書 服部まゆみ『この闇と光』 内容に触れずに感想を書くのが難しいので今回はネタバレありで。あらすじでどんでん返しを匂わせるのはやめてくれ!しかし、本作は読者を騙すことに全力集中でネタバレして終わり!ということはなかったので良かった。謎が明らかになった後も、それまでの幻想... 2022.01.17 読書
読書 砥上 裕將『線は、僕を描く』 主人公の霜介はたまたま水墨画の巨匠に出会い、才能を見込まれて弟子になり、順調に腕を上げ、よき理解者にも恵まれて……とあらすじだけ読めばなろう小説のような都合のよさだが、実際はそう感じさせない物語の奥行きがある。それは、シンプルな物語の枠に対... 2021.11.26 読書
読書 渡辺優『アヤとあや』 誰かの“特別”でありたいすべての人へ画家である父のモデルをしている、小学5年生の亜耶は、常に自らの美意識と神秘性に特別なものを感じていた。そんな彼女は相棒の彩といつも行動を共にしていた。歳を重ねるにつれ、次第に自分に宿る神秘性が損なわれてい... 2021.11.24 読書
読書 伊藤調『ミュゲ書房』 そこは、人も物語も再生する本屋さん小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改... 2021.10.15 読書
読書 芦沢央『火のないところに煙は』 本年度ミステリ・ランキングの大本命! この面白さ、《決して疑ってはいけない》……。「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。突然の依頼に、かつての凄惨な体験が作家の脳裏に浮かぶ。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。作家は、事件... 2021.09.27 読書
読書 森見登美彦『太陽の塔』 彼女はあろうことか、この私を袖にしたのである。巨大な妄想力以外、何も持たぬフラレ大学生が京都の街を無闇に駆け巡る。失恋に枕を濡らした全ての男たちに捧ぐ、爆笑青春巨篇!私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さ... 2021.09.16 読書
読書 三浦しをん『愛なき世界』 恋のライバルが人間だとは限らない!洋食屋の青年・藤丸が慕うのは〝植物〟の研究に一途な大学院生・本村さん。殺し屋のごとき風貌の教授やイモを愛する老教授、サボテンを栽培しまくる「緑の手」をもつ同級生など、個性の強い大学の仲間たちがひしめき合い、... 2021.09.01 読書
読書 久永実木彦『七十四秒の旋律と孤独』 宇宙船を警備する人工知性紅葉の葛藤と、宇宙空間で物体がワープする際に生じる、空白の七十四秒間の事件を描いた第八回創元SF短編賞受賞作「七十四秒の旋律と孤独」をはじめ、人類が滅亡したあとの宇宙で、ヒトの遺した教えと掟に従って宇宙を観測し続ける... 2021.08.21 読書
読書 松崎有理『イヴの末裔たちの明日』 究極の選択を前にしたとき、人間はその魂を試される――さまざまな“究極"の場面に遭遇した人々がそれぞれ選びとる未来の物語。長く未解決だった数学予想の証明に取り憑かれた青年と、暗号解読に人生のすべてを捧げた冒険者の行く末を追う「ひとを惹きつけて... 2021.08.12 読書