Cidenon

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住野よる『君の膵臓をたべたい』

住野よるさんは新人だそうだが、次作が出たら絶対に買う。この作品の文庫が出たらまた買ってもいい。仲良く暮らしていた恋人たちに不幸が訪れて、最愛の人が病気になり死んでしまうというのは、よくある話だ。現実でよくあったらたまらないけど、小説の中では...
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中田永一『百瀬、こっちを向いて。』

中田永一というのは乙一の別名義だそう。本書の中では乙一について触れていないので書こうかどうか迷ったが、中田永一の作品を気に入った人であればいずれ知ることになるので書いてしまった。「百瀬、こっちを向いて。」「なみうちぎわ」「キャベツ畑に彼の声...
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ジェームズ・クラベル『23分間の奇跡』

「人間の考え方を変えたり、何かを吹きこんだりするのは、なんと容易な事なのか」作者の後記の言葉だ。この本には、占領された国の学校での出来事が書かれている。新しくやってきた支配国の教師の手によって、子供たちの思想がだんだんと誘導されていく……。...
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土屋 賢二『もしもソクラテスに口説かれたら ツチヤ教授の哲学ゼミ』

「わたしはあなたの顔も性格も嫌いですが、あなた自身を愛しています」と言われたら、どう思うだろうか。ソクラテスはこんな論を展開した。「人間が道具を使う時を考えればわかるように、使われる物と使う主体は別々のものである」「人間は身体を使う。だから...
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ロバート・A・ハインライン『夏への扉』

これだよこれ!400ページも読ませるなら、このくらい詰め込んでほしい。その分情景描写は少ないが、場面転換はとてもスムーズ。やはり見せ方次第なんだなぁ。「上げる」、「落とす」の緩急も絶妙。一歩先の展開が読めることもあるが、その前にはひねりがあ...
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ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』

ビブリア古書堂で「たんぽぽ娘」を知り、井上一夫訳の「たんぽぽ娘」を読み、この本を手に取った。「特別急行がおくれた日」「河を下る旅」「エミリーと不滅の詩人たち」「神風」「たんぽぽ娘」「荒寥の地より」「主従問題」「第一次火星ミッション」「失われ...
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乙一『さみしさの周波数』

「未来予報 あした、晴れればいい。」「手を握る泥棒の物語」「フィルムの中の少女」「失はれた物語」以上4つの短編が収録されている。すべて毛色の違う物語であるが、共通項として「切なさ」が感じられる。「さみしさの周波数」というタイトルは、うまく表...
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瀬尾まいこ『図書館の神様』

「文学は僕の五感を刺激しまくった」この言葉が読書の楽しさ、この本の楽しさを表している。私はこの本のようにサイダーを飲んだり、朝早くから本の整理をしたり、冬の校庭を走りまわったりはしなかったが、私自身の青春が思い出された。真面目に生きてきた清...
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アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリ『星の王子さま』

素敵な言葉のオンパレードだった。中でも気に入っているのは、「おれは小麦畑の色の分だけ得をしたよ」という言葉だ。これは、王子さまとの別れを迎えたある登場人物のセリフだ。一緒の時間を過ごすことが、愛着を持たせて、特別な存在になる。そういった存在...